精進料理や宿坊体験で高野山をたっぷり楽しむ!和歌山・高野山1泊2日

真言密教の聖地・高野山の荘厳な雰囲気を存分に感じられる1泊2日のモデルコースをご紹介します。南海なんば駅から電車で高野山駅へ向かい、ケーブルカーで山頂へ。初日は昼食に精進料理を堪能し、金剛峯寺や壇上伽藍を参拝します。宿坊にチェックインし、夜は静寂の中でリラックス。翌日は奥之院を訪れ、歴史と自然に包まれた散策を楽しみます。日常の喧騒を忘れ、高野山での心安らぐひとときを過ごしてみませんか。

所要時間
1泊2日
移動手段
電車、ケーブルカー、バス、徒歩
精進料理や宿坊体験で高野山をたっぷり楽しむ!和歌山・高野山1泊2日
Start
1日目

南海電鉄 なんば駅

「特急こうや」に乗って出発!

なんば駅から南海高野線で「特急こうや」に乗り、極楽橋駅まで移動します。橋本駅から極楽橋駅までの区間は四季折々の美しい景色や雄大な自然を楽しめます。

Column

高野山への旅がより特別に感じられる観光列車「天空」

橋本駅から極楽橋駅を結び、標高差443m間の山岳区間を走る南海高野線「天空」。

座席は全て指定席。車窓からの美しい景色を楽しめるように配置され、大型の窓からは美しい自然の風景をパノラマで堪能できます。展望デッキに出ると、爽やかな自然の風を感じながら周囲の大自然との一体感を味わえますよ。 

天空に関しての詳しい情報は公式サイトをご覧ください。

高野山への旅がより特別に感じられる観光列車「天空」
特急こうやで約1時間30分

極楽橋駅

駅舎の美しい天井画やガラスアートを見学

高野山聖域と俗世を分ける境界だという言い伝えがある極楽橋駅。フォトジェニックな駅としても知られ、電車側の「はじまりの天井絵巻」には極楽鳥や高野山の動植物が描かれ、ケーブルカー側の「宝来天井絵」には縁起物が美しく描かれています。高野山の伝統と文化を感じられる空間です。

ひとときの時間を過ごしたら、次は高野山ケーブルカーに乗り換えます。


高野山ケーブルカー(高野山駅まで約5分)

328mの高低差を、約5分で一気に昇降するケーブルカー。現在の車両は1964年に巻上装置一式とともに登場したもので、当時は日本最大級でした。

住所
伊都郡高野町高野山
電話番号
050-3090-2608
高野山駅から奥の院前行きバスで約15分、千手院橋バス停にて下車、徒歩で約5分

高野山宿坊協会 中央案内所

まずは高野山の観光情報拠点に立ち寄りましょう

高野山の観光前の立ち寄りがおすすめ。レンタサイクル・音声ガイドの貸し出し、体験の予約なども可能です。また、コインロッカーも設置されているので、荷物を預けて身軽に観光を楽しめます。

住所
和歌山県伊都郡高野町高野山600
電話番号
0736-56-2616
営業時間
8:30~17:00
徒歩すぐ

中央食堂 さんぼう

旬の食材を使う華やかな精進料理

高野山金剛峯寺の周辺、多くの寺院に精進料理を提供しています。提供する料理は高野山の特産であるごま豆腐、湯葉、山菜などを使った献立。地の野菜、季節の食材を使った料理は、どれも滋味深いものばかり。写真の精進花篭弁当(2,500円)は天ぷらや煮物なども入って、高野山の旬の食材を楽しめます。
住所
伊都郡高野町高野山722
電話番号
0736-56-2345
営業時間
11:00~15:00(売切れ次第終了)
定休日
不定休
徒歩で約5分

金剛峯寺(こんごうぶじ)

歴史が息づく高野山真言宗の総本山

金剛峯寺は、山のほぼ中央に位置する高野山真言宗の総本山で、全体の宗務を司っている寺院です。豊臣秀吉が母の菩提寺を建立し、その後隣の寺と合併して金剛峯寺と改称されました。松と鶴が描かれたふすま絵がある大広間や、その奥には持仏間、さらに柳と鷺が描かれたふすま絵の「柳の間」などがあり、美しく施された装飾は見ごたえがあります。柳の間は、ここで豊臣秀次が自害したことから「秀次自刃(じしん)の間」とも呼ばれています。

境内には、約2,340平方メートル(約707坪)の面積を持つ日本最大級の美しい石庭「蟠龍庭」があり、静かな雰囲気の中でゆっくりと散策することができます。歴史ある建築や美しい庭園をじっくりと楽しみ、心の安らぎと荘厳さを体感してみてください。

住所
伊都郡高野町高野山132
電話番号
0736-56-2468
営業時間
8:30~17:00(受付16:30まで)
徒歩で約5分

壇上伽藍(だんじょうがらん)

密教の曼荼羅世界が広がる神聖な空間

壇上伽藍は、弘法大師空海が高野山を開山した際に最初に開拓した場所です。817年に弟子たちと共に建立し、完成には十数年から20年の歳月がかかりました。この場所は「弘法大師ゆかりの地」として信仰の中心となっており、密教の世界を表す胎蔵界曼荼羅を象徴しています。参拝の際は時計回りに進むことが推奨され、境内には高野山の総本堂「金堂」や、密教のシンボルとして建てられた朱塗りの「根本大塔」、弘法大師が住んでいた「御影堂」などを見て回ることができます。特に根本大塔は、その美しい姿と重要な役割から多くの参拝者に親しまれています。

住所
伊都郡高野町高野山152
電話番号
0736-56-2468

Column

根本大塔(こんぽんだいとう)

真言密教のシンボルとして建てられた朱塗りの大塔は、弘法大師空海と真然の二代により約70年をかけて完成しました。日本で最初に造られた多宝塔様式の塔で、堂内全体が曼荼羅を立体的に表現したものといわれています。

根本大塔(こんぽんだいとう)
徒歩で約5分

高野山霊宝館

高野山霊宝館は、高野山内の貴重な文化遺産を保存展観する施設として大正10年(1921年)に開設されました。この時に建てられた本館は、登録有形文化財として指定されています。国宝21件、重要文化財147件、和歌山県指定文化財16件、重要美術品2件、合計182件、約2万8千点弱を収蔵するほか、年間を通じて企画展や特別陳列、常設展示を企画し、展示公開にあたっています。

住所
伊都郡高野町高野山306
電話番号
0736-56-2029
営業時間
【5月~10月】8:30~17:30
【11月~4月】8:30~17:00
※入館は各閉館時間の30分前まで
定休日
年末年始
徒歩で約10分

大門

高野山への旅のスタートはここから!入り口を飾る立派な総門

高野山の入り口にそびえる朱色で鮮やかな大門。五間三戸の二階二層門で、高さはなんと25.1メートル! その迫力満点の佇まいは訪れる人々を魅了します。また、寺院の守護を担う金剛力士像が左右に安置されており、その厳かで力強い風貌は必見です。正面には聯(れん)が掲げられていて、「日々の影向(ようごう)を闕(かか)さずして、処々の遺跡を檢知す」という弘法大師の同行二人信仰を表しています。この意味は、「お大師さまは毎日御廟から姿を現され、所々を巡ってはわたしたちをお救いくださっている」という内容です。大門の横には弁天岳の登山口があり、ここを進んでいくと山頂には嶽弁才天(だけのべんざいてん)が祀られています。ぜひ、高野山への旅の始まりを感じに訪れてみてください。

住所
伊都郡高野町高野山
電話番号
0736-56-2468
徒歩またはバス

【宿泊】宿坊

非日常的な空間で心身ともにリフレッシュ!

高野山では50以上の寺院が宿坊として利用でき、戦国武将ゆかりのお寺や美しい庭園を楽しめます。朝の勤行(ごんぎょう)や精進料理も魅力のひとつで、肉や魚を使わないヘルシーな料理を味わえます。宿泊予約は高野山宿坊協会か直接お寺に連絡を。


電話番号
0736-56-2616
営業時間
8:30~17:00
定休日
年末年始

宿坊で仏教の体験を!

阿字観(あじかん)
密教の根本経典である『大日経』に由来する瞑想方法のひとつで、大日如来の象徴である梵字「阿」が描かれた掛け軸の前に座禅して行います。阿字を通じて大日如来と一体となって仏の心を感じ、世界と自分との本源的同一を体感することを目的としています。
阿字観(あじかん)
護摩行(ごまぎょう)
護摩壇の中央にある炉の中に、願い事が書かれた護摩木や供物を入れ、不動明王の智慧の火で煩悩を焼き尽くすことで御祈願を行います。炎の前で全身全霊で願いを込めて真言を唱えます。これは、呪術的な強い祈りの力をもって願いを叶えようとするもので、密教系の寺院や宿坊で行われます。
護摩行(ごまぎょう)
精進料理
仏教の教えに基づいて、肉や魚を使わず、野菜や果物、穀類、山菜、海藻、大豆加工品など植物性の食材のみで作った料理です。五味五色五法という考え方に基づき、さまざまな味や色、調理法でバランス良く構成され、健康食としても人気です。
精進料理
朝勤行(あさごんぎょう)
勤行とはご本尊に向かいお経を読むこと。早朝に行われる勤行では、仏様に一日の始まりを感謝し、また無事に過ごせますようにという願いを込めます。声明(しょうみょう)や読経の声が響き渡り、高野山の1日のはじまりを感じることができます。
朝勤行(あさごんぎょう)

宿坊では、精進料理や写経、朝のお勤めなど、心静まる仏教の体験が楽しめます。自然豊かな環境で、心身ともにリフレッシュしましょう。

Column

心の癒し・お逮夜ナイトウォーク

お大師さまの日前夜(毎月20日19:00~)に奥之院をお参り。燈籠堂で僧侶による御宝楽や法話が行われ、普段では味わえない夜の奥之院を感じることができます。一の橋案内所前集合、参加費は無料です。宿泊先の宿坊によって門限と風呂時間が決まっている場合があるので、参加する際には事前にご確認ください。


・実施期間:毎月20日

・TEL:0736-56-2468

・連絡先:高野町観光協会


心の癒し・お逮夜ナイトウォーク
2日目
宿坊から徒歩またはバスで 「一の橋口」または「奥の院口」バス停まで

奥之院(一の橋~奥之院参道~燈籠堂)

弘法大師空海を祀る神聖な場所

奥の院は、弘法大師空海の御廟がある場所で、壇上伽藍と並ぶ高野山の二大聖地の一つ。高野山の信仰の中心とされています。弘法大師は853年に62歳で入定し、以来1200年にわたってこの地で永遠の瞑想を続けていると信じられています。

樹齢千年を超える杉木立が生い茂る参道は、一の橋から御廟まで約2キロメートル続き、20万基以上の供養塔や墓石が並んでいます。ここには皇族や大名、文人、庶民など、さまざまな階層の人々の墓石があり、法然、親鸞、上杉謙信、織田信長、伊達政宗、武田信玄、豊臣一族のものも含まれています。参道を歩くことで、多くの人々の歴史や信仰の深さを感じることができます。

奥の院の参拝は、一の橋を渡り、参道に沿って並ぶ墓碑を眺めながら進んでいきます。中の橋を渡り、水向地蔵を過ぎ、御廟橋を渡ると、いよいよ御廟のある聖域へと足を踏み入れます。弘法大師御廟の拝殿にあたる燈籠堂には、多くの燈籠が祈りを込めて奉納されており、その光が厳かな雰囲気を醸し出しています。さらにその先に進むと、弘法大師の御廟があります。ここでは、心を静め、自分の願いや感謝の気持ちを込めて丁寧に祈りを捧げることで、弘法大師の存在を身近に感じることができるかもしれません。再び御廟橋を渡って戻る際には、弘法大師が参拝者を優しく見送ってくださっていると信じられています。

住所
伊都郡高野町高野山550
電話番号
0736-56-2468
営業時間
【奥之院 御供所(納経所)】
夏季(5月~10月) 8:00~17:00
冬季(11月~4月) 8:30~16:30

【奥之院 燈籠堂】
開堂時間 6:00~17:00
地下法場参拝 6:00~16:45
供養受付 8:30~16:30 ※予約不要
読経開始時間 9:00/10:20/11:30/12:40/13:40/14:40
ご祈祷受付 8:30~16:30 ※予約不要
※上記の時間以外で、下記日程・時間においては燈籠堂が再開堂いたします。
 1月1日 元旦 0:00~2:00頃
 8月13日 萬燈供養会(まんどうくようえ) 19:00~21:00
 10月1日~3日 萬灯会 19:00~21:00

奥之院参道

御廟橋(ごびょうばし)
弘法大師の御廟へと向かう参道の最後の橋。36枚の橋板と橋全体を合わせて37枚と数えられ、金剛界37尊を表しています。この橋を越えると聖域になるため、服装を正し、一礼してから渡りましょう。
御廟橋(ごびょうばし)
水向地蔵(みずむけじぞう)
御廟橋を流れる玉川を背に、地藏菩薩、不動明王、観音菩薩などの15体の金銅仏が整列するように並んでいます。水盤の玉川の水をひしゃくで仏像に手向けてご先祖の冥福を祈りましょう。
水向地蔵(みずむけじぞう)
化粧地蔵
「このお地蔵様に化粧をすると美人になる」という言い伝えがあり、参拝者によって口紅や頬紅が塗られています。芭蕉句碑近くにあり、フォトスポットとしても人気です。
化粧地蔵
姿見(すがたみ)の井戸
中の橋近くにある汗かき地蔵のお堂の横に、姿見の井戸と呼ばれる古い小さな井戸があります。 この井戸を覗きこんで、自分の姿が水面に映らないと3年以内に死んでしまうといわれ、こうやの七不思議のひとつとして数えられています。
姿見(すがたみ)の井戸
明智光秀墓所
高野山には「地・水・火・風・空」を意味する五輪塔と呼ばれる供養塔や墓がたくさん並んでいます。中の橋の西側にひっそりとたたずむ明智光秀の供養塔は、中央の水の石だけは何度交換しても、そのたびにひびが入るので、織田信長の怨念のためではといわれています。
明智光秀墓所

一の橋から御廟へと続く参道には、樹齢数百年の杉木立がそびえ立ち、20万基を超える墓碑や供養塔が並んでいます。静寂の中に神秘的な雰囲気が漂い、訪れる人々を包み込みます。

奥之院から「奥の院前」バス停まで徒歩で約15分、
その後バスで約5分、「小田原通り」バス停下車、徒歩すぐ

角濱ごまとうふ総本舗 小田原店

出来立ての生ごまとうふが食べられるお店

高野山特産ごまとうふの製造元が運営する飲食・土産販売のお店。出来立ての生ごまとうふを調理五法を用いて表現した「ごまとうふ懐石五彩」(2,200円)は、数量限定の人気メニュー。ごまとうふを使ったスイーツやカフェメニューもあり、店内工房にて焼き上げるバームクーヘン(1,500円)は、生地にごまとうふを練り込んだ、製造元だからこそ出来るオリジナルメニュー。契約農家で育てた無農薬栽培の胡麻を100%使用し、加工澱粉などの食品添加物が一切使われておらず、自然の風味豊かなごまとうふを存分に楽しめます。
住所
伊都郡高野町高野山729
電話番号
0736-26-8895
営業時間
9:00~17:00
定休日
不定休
徒歩で約15分

高野山大師教会

心を静め、筆を走らせる。写経体験で心の平安を見つけよう

写経とは経典を書写することであり、仏法を広めるための僧侶の重要な修業のひとつでした。一字一句に願いを込めて浄書すれば、雑念を払い、心が安らかになるといわれています。

住所
和歌山県伊都郡高野町高野山347
電話番号
0736-56-2015
営業時間
平日 9:00~、11:00~、13:00~、15:00~
土日祝日 上記各時間の15分前
定休日
無休
徒歩で約5分

高野山デジタルミュージアム&高野山 café雫

世界遺産・高野山の魅力をバーチャル空間で体験

弘法大師空海の思いや歴史的建造物をVRシアターで臨場感たっぷりに体験できます(約30分)。猿田彦珈琲プロデュースの「高野山 café雫」では、オリジナルブレンドコーヒーと地元の食材を使用したスイーツなどを味わえ、ミュージアムショップでは高野山ならではのお土産も販売されています。

※VRシアターは予約制・料金別途要

住所
和歌山県伊都郡高野町高野山360
電話番号
0736-26-8571
営業時間
10:00~16:00(土日祝日と8・10・11月は17:00まで)
定休日
冬季不定休

周辺散策

お土産の買い忘れはありませんか

小田原通り沿いには、和菓子店や高野山ならではのお土産販売店がたくさん並んでいます。バスの出発時間までのんびり歩きながらお土産選びを楽しんで。

「千手院橋(東)」バス停から高野山駅行きバスで約15分、高野山駅からケーブルカーで約5分

極楽橋駅

ここから南海電鉄なんば駅までは、特急こうやで約1時間30分。

高野山の聖域の旅を終え、静寂と癒しの時間を胸に日常へと帰りましょう。

Goal
  • 南海電鉄 なんば駅
  • 極楽橋駅
  • 高野山ケーブルカー(高野山駅まで約5分)
  • 高野山宿坊協会 中央案内所
  • 中央食堂 さんぼう
  • 金剛峯寺(こんごうぶじ)
  • 壇上伽藍(だんじょうがらん)
  • 高野山霊宝館
  • 大門
  • 【宿泊】宿坊
  • 奥之院(一の橋~奥之院参道~燈籠堂)
  • 角濱ごまとうふ総本舗 小田原店
  • 高野山大師教会
  • 高野山デジタルミュージアム&高野山 café雫
  • 周辺散策
  • 極楽橋駅

※Google Mapの読込みが1日の上限を超えた場合、正しく表示されない場合がありますのでご了承ください

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