世界遺産で御朱印巡り 神秘の熊野三山と高野山を巡る1泊2日の旅
紀伊勝浦駅から車で巡る世界遺産の熊野三山と高野山。熊野古道から那智山詣、そして熊野速玉大社と熊野本宮大社を巡ることができます。宿泊は湯の峰温泉へ。翌日は高野山へ向かい、金剛峯寺や壇上伽藍の荘厳な建築を見学、精進料理も楽しめます。歴史と自然が織りなすこの旅を通じて心穏やかなひとときをお過ごしください。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 1泊2日
- 移動手段
- 車、徒歩、バス
JR紀伊勝浦駅
御朱印巡りの旅をスタート!
那智勝浦町に位置する紀伊勝浦駅は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を巡るのにおすすめの出発地。
駅周辺でレンタカーを借りる場合は、和歌山駅で乗り捨てができるトヨタレンタリースが便利です。事前予約をお忘れなく!
- 住所
- 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字朝日3-94
- 電話番号
- 0735-52-6662
世界遺産 熊野古道大門坂
石畳が美しい大門坂の魅力を存分に体感しましょう
入口に樹齢800年の夫婦杉がそびえ立つ大門坂は、熊野那智大社の門前町へと続く歴史ある小道です。約600mの苔むした石段の両側には、昼間でも薄暗い雰囲気を漂わせる深い杉並木が続き、当時の風景を色濃く残しています。
- 住所
- 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山
- 電話番号
- 0735-52-5311(観光案内所)
熊野那智大社 ★御朱印
朱塗りの社殿が美しい熊野信仰の中心地
全国4000社の熊野神社の総本社で、熊野速玉大社・熊野本宮大社とともに熊野三山と呼ばれています。ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』にも登録されており、御本殿域は国指定重要文化財となっています。古くから熊野の神々は那智の滝本にお祀りされていましたが、山の中腹に社殿をつくり、熊野の神々と滝の神様をお迎えしたことから始まる神社です。
創建より1700年ほどの歴史があるこの場所は、落ち着いた雰囲気の中で深い精神性と日本の自然を体感したい方にぴったり。四季折々の自然を感じながら463段の石段を登ると、朱塗りの社殿が6棟あり、その落ち着いた美しさに心が洗われます。
社殿には、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ、イザナミノミコト)を御主神として、それぞれに神様が祀られています。熊野夫須美大神は「結宮(むすびのみや)」といわれ、人の縁や諸々の願いを結ぶとして崇められています。また、境内にある御縣彦社(みあがたひこしゃ)では、熊野の神様のお使いであり、より良い方向へ導く「お導きの神様」とされる三本足の烏「八咫烏(やたがらす)」が祀られています。
3月末から4月初め、桜の季節の熊野那智大社は必見!上品で優雅な姿を見せる枝垂桜が訪れる人々を迎え入れ、古き良き日本の情緒を感じることができます。石段の登りが心配な方でも、車やバスを利用して気軽に訪れることができるため、どなたでも神社の静かで穏やかなひとときを堪能することができます。
- 住所
- 東牟婁郡那智勝浦町那智山1
- 電話番号
- 0735-55-0321
那智山青岸渡寺 ★御朱印
那智の滝と三重塔の絶景を堪能!世界遺産の熊野信仰の中心地
⽇本最古の巡礼路である西国三十三所観音霊場の第一番札所として知られる那智山青岸渡寺は、熊野那智大社とともに神仏習合の霊場として栄えた天台宗の寺院です。2004年には世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産に指定され、見どころも多岐にわたります。
天正18年(1590年)に豊臣秀吉が再建した本堂(如意輪堂)は、天然木の質感を活かした「素木造り」で、当時の建築技術を色濃く残しています。堂内にある日本一の大鰐口は秀吉が寄進したものです。
本堂の後方からの景色は、名瀑・那智の滝と朱塗りの三重塔の美しい調和が楽しめる絶好のフォトスポット。また、塔の上層階からは那智の滝や太平洋の広大な景色を望むことができます。
- 住所
- 東牟婁郡那智勝浦町那智山8
- 電話番号
- 0735-55-0001
- 営業時間
- 7:00~16:30
那智の滝(飛瀧神社) ★御朱印
迫力満点!日本一の落差を誇る名瀑
熊野那智大社の別宮である飛瀧神社の御神体として崇められている那智の滝。「一の瀧」とも呼ばれ、上流にある「二の瀧」「三の瀧」と合わせて「那智大滝」と総称されます。この滝は国の名勝に指定されており、日本三名瀑の一つでもあります。落差133mの滝の流れは迫力があり、毎秒約1トンの水量が落下しています。那智山の奥山、大雲取山から流れ落ちる水しぶきが周囲を白く彩り、壮大な景色を生み出します。
滝の幅は13mで、流れ落ちる水は三筋に分かれているため「三筋の滝」と呼ばれることもあります。滝を真正面から拝観できる観覧舞台、御滝拝所舞台からはまるで滝と一体になれるような距離で名瀑の迫力を肌で感じることができます。また、滝つぼの水は延命長寿の水とも伝えられており、口に含めばその清らかさが旅の疲れを癒やしてくれそうです。
自然が織り成す美しく力強い光景をぜひご覧ください。
- 住所
- 東牟婁郡那智勝浦町那智山
- 電話番号
- 0735-55-0321
その後バスで大門坂バス停まで約5分、
大門坂駐車場から車で約15分
【昼食】勝浦漁港にぎわい市場
生鮪の水揚げ日本一の勝浦市場に隣接する「鮪と食のエンターテインメント施設」
- 住所
- 東牟婁郡那智勝浦町築地7-12
- 電話番号
- 0735-29-3500
- 営業時間
- 8:00~16:00(LO15:30)
- 定休日
- 火曜日(年末年始、お盆等は営業)
※詳しくはHP参照
熊野速玉大社 ★御朱印
境内にそびえる樹齢1000年のナギ
鮮やかな朱塗りの社殿とともに、深い信仰を集める霊場として知られる熊野速玉大社。熊野三山のひとつで、ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』に登録されています。主祭神として祀られているのは、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ、イザナギノミコト)と熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ、イザナミノミコト)。境内には、天然記念物に指定されるご神木・樹齢1000年のナギの大樹があり、その荘厳な姿から長い歴史と神秘的なエネルギーを感じられます。
また、熊野神宝館には室町時代の蒔絵手箱や檜扇など約1,200点にものぼる国宝が保管され、その一部が公開されています。室町時代に足利義満公が奉納したと伝えられる調度品などの展示物は見ごたえがあり、日本の歴史の深さを感じさせる貴重な文化財の宝庫となっています。
- 住所
- 新宮市新宮1
- 電話番号
- 0735-22-2533
- 営業時間
- 【熊野神宝館】9:00~16:00
神倉神社(ゴトビキ岩)
新宮の街を見守る巨岩を祀る神社
権現山(神倉山)の中腹に鎮座する歴史ある神社。熊野の神々が最初に降臨した聖地とされ、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産でもあります。
天ノ磐盾(あまのいわたて)という崖の上にあり、538段の急峻な石段を登ったところにある蛙の姿に似た巨岩「ゴトビキ岩」が御神体。熊野古道の一部であるこの石段は源頼朝寄進と伝えられ、悠久の歴史を感じさせます。
神社の石段は急勾配のため、運動靴での挑戦がおすすめ。登頂後に見下ろす市街地と熊野灘の眺めは、新宮市随一のビュースポットです。
毎年2月6日の夜に行われる火祭り「御燈祭(おとうまつり)」の舞台としても知られます。白装束に荒縄を締めた約2000人の男子が松明を持ち、山頂から急な石段を駆け下りる「火の滝」をひと目見ようと全国から多くの観光客が訪れます。
- 住所
- 新宮市神倉1-13-8
- 電話番号
- 0735-22-2533
熊野本宮大社 ★御朱印
古式ゆかしい雰囲気が漂う聖地
ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』に登録されている熊野本宮神社。神秘的な力を感じることのできる熊野三山の一つで、かつては熊野の神といえば本宮のことを表しているとされてきました。
一歩足を踏み入れると、自然の息吹と歴史の重みがゆったりとした時間の流れとともに感じられます。桧皮葺で白木造りの社殿は国の重要文化財に指定され、主祭神である家都美御子大神(けつみみこのおおかみ、スサノオノミコト)が祀られており、毎年多くの参拝者が訪れます。
宝物殿には、国指定重要文化財の「鉄湯釜」をはじめとする貴重な宝物が収蔵されており、歴史を感じさせます。また、熊野信仰の象徴である八咫烏(やたがらす)をデザインモチーフにした瑞鳳殿には茶房やカフェ、土産店などが併設されており、参拝の後にゆっくりと一息つくのにも最適です。
- 住所
- 田辺市本宮町本宮
- 電話番号
- 0735-42-0009
- 営業時間
- 8:00~17:00
【宿泊】湯の峰温泉
熊野本宮温泉郷で疲れを癒しましょう
湯の峰温泉は日本最古の温泉のひとつで、1800年以上の歴史を誇ります。熊野詣の湯垢離場(ゆごりば)として知られ、温泉街を流れる湯の谷川のほとりには、世界遺産に登録されている「つぼ湯」があります。河原では湧出温度が90度を超える湯筒を利用して、卵や野菜を茹でる光景が見られ、伝統的な日本の風情を感じます。
- 住所
- 和歌山県田辺市本宮町湯峯
- 電話番号
- 0735-42-0735(熊野本宮観光協会)
Column
湯の峰温泉公衆浴場とつぼ湯(世界遺産)
湯の峰温泉の中心部に位置する公衆浴場とつぼ湯。2022年にリニューアルされた公衆浴場では、一般湯、くすり湯、家族湯を楽しむことができます。そのすぐ近くにあるつぼ湯は、熊野詣の湯垢離場として世界遺産に認定された貴重な温泉です。自然の岩で囲まれたこじんまりとした浴槽は、30分ごとの交代制。公衆浴場の番台で番号札を受け取り、順番を待って利用します。入浴できる世界遺産としては他に類を見ないこのつぼ湯で、特別な体験をお楽しみください。
道の駅 ごまさんスカイタワー
展望塔がある道の駅で四季折々の風景が楽しめる
高野山と龍神村を結ぶ高野龍神スカイラインの中間、護摩壇山(ごまだんさん)の山頂近くに位置する道の駅です。1階の売店では和歌山県産の梅干しや季節の野菜や果物、しいたけ節などの特産品の他、龍神村の里芋を使ったチーズケーキや、味噌と柚子などで作られた伝統保存食「柚べし」などが取り揃えられています。
ここでは、ゴマを使ったオリジナルソフトクリーム「ごまごまソフト」が大人気! しっかりとゴマの風味を感じながらもさっぱりとした味わいが特徴で、ぜひドライブの合間に楽しんでもらいたい一品です。
護摩木を積み上げた高さ33mの展望塔からは、紀伊山地の大パノラマや紀伊水道の島々も望むことができます。四季折々の美しい風景をお楽しみください。
- 住所
- 和歌山県田辺市龍神村龍神1020-6
- 電話番号
- 0739-79-0622
- 営業時間
- 【売店】 平日 9:30~16:00、土日祝 9:00~16:00
【展望塔】 平日 9:30~15:50、休日 9:00~15:50
レストラン ※現在休業中 - 定休日
- 冬季休業 12月1日~3月末
※荒天の場合、臨時休業あり
金剛峯寺 ★御朱印
歴史が息づく高野山真言宗の総本山
金剛峯寺は、山のほぼ中央に位置する高野山真言宗の総本山で、全体の宗務を司っている寺院です。豊臣秀吉が母の菩提寺を建立し、その後隣の寺と合併して金剛峯寺と改称されました。松と鶴が描かれたふすま絵がある大広間や、その奥には持仏間、さらに柳と鷺が描かれたふすま絵の「柳の間」などがあり、美しく施された装飾は見ごたえがあります。柳の間は、ここで豊臣秀次が自害したことから「秀次自刃(じしん)の間」とも呼ばれています。
境内には、約2,340平方メートル(約707坪)の面積を持つ日本最大級の美しい石庭「蟠龍庭」があり、静かな雰囲気の中でゆっくりと散策することができます。歴史ある建築や美しい庭園をじっくりと楽しみ、心の安らぎと荘厳さを体感してみてください。
- 住所
- 伊都郡高野町高野山132
- 電話番号
- 0736-56-2468
- 営業時間
- 8:30~17:00(受付16:30まで)
【昼食】中央食堂さんぼう
旬の食材を使う華やかな精進料理
- 住所
- 伊都郡高野町高野山722
- 電話番号
- 0736-56-2345
- 営業時間
- 11:00~15:00(売切れ次第終了)
- 定休日
- 不定休
壇上伽藍 ★御朱印
密教の曼荼羅世界が広がる神聖な空間
壇上伽藍は、弘法大師空海が高野山を開山した際に最初に開拓した場所です。817年に弟子たちと共に建立し、完成には十数年から20年の歳月がかかりました。この場所は「弘法大師ゆかりの地」として信仰の中心となっており、密教の世界を表す胎蔵界曼荼羅を象徴しています。参拝の際は時計回りに進むことが推奨され、境内には高野山の総本堂「金堂」や、密教のシンボルとして建てられた朱塗りの「根本大塔」、弘法大師が住んでいた「御影堂」などを見て回ることができます。特に根本大塔は、その美しい姿と重要な役割から多くの参拝者に親しまれています。
- 住所
- 伊都郡高野町高野山152
- 電話番号
- 0736-56-2468
お土産 西利
高野山ならではのお土産が並ぶ
金剛峯寺のすぐ近くにある、江戸時代後期に創業されたお土産屋とお茶処が隣接する西利。「みろく石」や「やきもち」、ヨモギ入りの生麩にあんこを入れて笹の葉で包んだ「笹巻あんぷ」などの和菓子や、精進料理でも人気の「ごま豆腐」など、高野山名物を取り揃えています。カラフルなお香やかわいらしい動物の置物などもお土産にぴったりです。
- 住所
- 伊都郡高野町高野山784
- 電話番号
- 0736-56-2145
- 営業時間
- お茶処9:00~16:30、お土産処9:00~17:00
- 定休日
- 木曜日(祝日の場合は振替)
奥之院
弘法大師空海を祀る神聖な場所
奥の院は、弘法大師空海の御廟がある場所で、壇上伽藍と並ぶ高野山の二大聖地の一つ。高野山の信仰の中心とされています。弘法大師は853年に62歳で入定し、以来1200年にわたってこの地で永遠の瞑想を続けていると信じられています。
樹齢千年を超える杉木立が生い茂る参道は、一の橋から御廟まで約2キロメートル続き、20万基以上の供養塔や墓石が並んでいます。ここには皇族や大名、文人、庶民など、さまざまな階層の人々の墓石があり、法然、親鸞、上杉謙信、織田信長、伊達政宗、武田信玄、豊臣一族のものも含まれています。参道を歩くことで、多くの人々の歴史や信仰の深さを感じることができます。
奥の院の参拝は、一の橋を渡り、参道に沿って並ぶ墓碑を眺めながら進んでいきます。中の橋を渡り、水向地蔵を過ぎ、御廟橋を渡ると、いよいよ御廟のある聖域へと足を踏み入れます。弘法大師御廟の拝殿にあたる燈籠堂には、多くの燈籠が祈りを込めて奉納されており、その光が厳かな雰囲気を醸し出しています。さらにその先に進むと、弘法大師の御廟があります。ここでは、心を静め、自分の願いや感謝の気持ちを込めて丁寧に祈りを捧げることで、弘法大師の存在を身近に感じることができるかもしれません。再び御廟橋を渡って戻る際には、弘法大師が参拝者を優しく見送ってくださっていると信じられています。
- 住所
- 伊都郡高野町高野山550
- 電話番号
- 0736-56-2468
- 営業時間
- 【奥之院 御供所(納経所)】
夏季(5月~10月) 8:00~17:00
冬季(11月~4月) 8:30~16:30
【奥之院 燈籠堂】
開堂時間 6:00~17:00
地下法場参拝 6:00~16:45
供養受付 8:30~16:30 ※予約不要
読経開始時間 9:00/10:20/11:30/12:40/13:40/14:40
ご祈祷受付 8:30~16:30 ※予約不要
※上記の時間以外で、下記日程・時間においては燈籠堂が再開堂いたします。
1月1日 元旦 0:00~2:00頃
8月13日 萬燈供養会(まんどうくようえ) 19:00~21:00
10月1日~3日 萬灯会 19:00~21:00
和歌山駅
レンタカーを返却
御朱印巡りの旅の終了です。お疲れ様でした。