湯の峰温泉発着で、赤木越・大日越の周遊ルートを歩く!
本コースは湯の峰温泉を出発して、2016年10月に世界遺産に追加登録された「赤木越」を歩き、発心門王子、熊野本宮大社を経て、「大日越」を越え、湯の峰温泉に戻ってくる周遊ルートです。
「赤木越」は、滝尻王子と熊野本宮大社を結ぶ熊野詣のメインルートの途中、発心門王子の手前にある船玉神社から分岐して湯の峰温泉経由で熊野本宮大社を目指す、近世に頻繁に利用されたルート。一方「大日越」は、熊野本宮大社から旧社地である大斉原を通って湯の峰温泉へと抜ける約3kmのショートコース。
今回は、この2コースを湯の峰温泉発着で満喫できる周遊ルートをご紹介します!
距離:約18.2km 標準歩行時間:約5時間30分
※歩行時間に休憩時間は含まれていません。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 約5時間30分(歩行時間に休憩時間は含まれていません)
- 移動手段
- 徒歩

JR紀伊田辺駅から湯峰温泉バス停まで、龍神バスで約1時間50分
または
JR新宮駅から湯峰温泉バス停まで、熊野御坊南海バス・奈良交通で約1時間10分
湯の峰温泉
トイレ、駐車場あり
開湯1800年で、日本最古の湯と言われ愛される湯の峰温泉は、今も昔ながらの温泉情緒を残し、湯の町の風情を感じる事が出来ます。古の人々は熊野詣の旅の途中、湯の峰で湯垢離を行い、聖地での禊ぎと旅の疲れを癒しました。
日によって七回も湯の色が変化するといわれている天然温泉の岩風呂「つぼ湯」は参詣道の一部として世界遺産に登録されています。
公衆浴場もあり、日帰り温泉を楽しむことも可能です。
なべわり地蔵
赤木越分岐
トイレあり
湯の峰温泉方面から歩いてきた場合は、ここで本来の熊野詣のメインルートに合流します。右折して歩みを進めると船玉神社、猪鼻王子を経て、ほどなくして熊野本宮大社の神域の入口とされていた発心門王子に到着します。
猪鼻王子(いのはなおうじ)
船玉神社を越え、林道から分岐して右下へ下った場所にある王子です。
道標に気付かず、林道をそのまま真っすぐ過ぎてしまわないよう注意してください。
発心門王子(ほっしんもんおうじ)
発心門王子は数ある王子社の中でも特に格式の高い「五躰(ごたい)王子」の一つとして格別の崇敬を受け、ここからが熊野本宮大社の神域とされた場所です。
天仁2年(1109年)の『中右記』にも発心門王子のことが記されており、この頃にはあったと見られています。
参道の奥に石積みの社殿跡があり、近年ここに王子社が新たに造営されました。
途中トイレあり
水呑王子
もとは三里小学校三越分校の敷地であったところに「水呑王子」と刻まれた緑泥片岩の碑が立っています。
伏拝王子(ふしおがみおうじ)
トイレあり
遠く海山を経て全国各地から訪れた熊野詣の人々が、ここに辿り着き、山並みの向こうに初めて熊野本宮大社(現在の大斎原(おおゆのはら)) を望んだとき、思わず土下座して伏し拝んだといわれたところからその名がつきました。
また、王子前には「伏拝茶屋」という無料休憩所があり、ドリンクや軽食、簡単なお土産の販売などもしています。トイレもありますので、ここで一息ついてはいかがでしょうか?
祓殿王子(はらいどおうじ)
熊野本宮大社の直前にある王子で、ここで旅の汚れを祓い清めるための潔斎(けっさい)をして、本宮の神前へ参拝する覚悟を新たにする所であったといいます
熊野本宮大社
古式ゆかしい雰囲気が漂う聖地
ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』に登録されている熊野本宮神社。神秘的な力を感じることのできる熊野三山の一つで、かつては熊野の神といえば本宮のことを表しているとされてきました。
一歩足を踏み入れると、自然の息吹と歴史の重みがゆったりとした時間の流れとともに感じられます。桧皮葺で白木造りの社殿は国の重要文化財に指定され、主祭神である家都美御子大神(けつみみこのおおかみ、スサノオノミコト)が祀られており、毎年多くの参拝者が訪れます。
宝物殿には、国指定重要文化財の「鉄湯釜」をはじめとする貴重な宝物が収蔵されており、歴史を感じさせます。また、熊野信仰の象徴である八咫烏(やたがらす)をデザインモチーフにした瑞鳳殿には茶房やカフェ、土産店などが併設されており、参拝の後にゆっくりと一息つくのにも最適です。
- 住所
- 田辺市本宮町本宮
- 電話番号
- 0735-42-0009
- 営業時間
- 8:00~17:00
和歌山県世界遺産センター
トイレ、駐車場あり
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保存と活用の活動拠点となることを目指し 設立された施設。各種案内パンフレットの配架や無料の展示、トイレや駐車場なども整備されており、まさにこの地を訪れる方々の交流拠点となっている施設です。
大斎原(おおゆのはら)
明治22年(1889年)の大洪水まで熊野本宮大社のあった旧社地。神が舞い降りたという大斎原は、近年ではパワースポットとして人気を集めています。
シンボル的存在の大鳥居は、高さ約34m、幅約42mと見るものを圧倒する迫力があります。
- 住所
- 田辺市本宮町本宮
- 電話番号
- 0735-42-0009
大日越(だいにちごえ)登り口
ここから峠の鼻欠地蔵まで一気に200mほど登りますので、距離は短いですが注意が必要です。
月見ヶ丘神社
熊野本宮大社の境外摂社である月見ケ丘神社は大日越の中腹にあります。周辺には樹齢数百年のヒノキが林立しています。
大日堂
鼻欠地蔵(はなかけじぞう)
湯峯王子
かつて熊野本宮大社の末社となっていた王子。毎年4月13日に行われる「湯登神事(ゆのぼりしんじ)」は今も続いており、神事では神の依代(よりしろ)である稚児を肩に担ぎ大日越(だいにちごえ)を歩きます。
「湯の峰に今日はあるなり花盛り」 と記された高浜虚子の碑もあります。
湯の峰温泉
トイレ、駐車場あり
このコースを歩かれる前日、又は歩かれた後に湯の峰温泉で宿泊すると便利です。赤木越の標準歩行時間は約2時間ですが、湯の峰温泉をスタートして赤木越を登る場合、更に時間がかかる可能性があります。また、大日越も、距離は短いものの厳しい登りの階段が続くコースです。時間に余裕をもって、終日トレッキングコースとしてお楽しみください。