熊野の山並みの絶景を望む百間ぐらへ!熊野古道中辺路「小雲取越」ウォーク!
京都から熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺)までの熊野詣の旅路を終えた巡礼者は、ゴールの熊野那智大社の背後にそびえる那智・妙法の山々を登り、本宮へと戻りました。この山々を越えるルートを大雲取越(おおぐもとりごえ)・小雲取越(こぐもとりごえ)と呼びます。
その中でも小雲取越は、新宮市の小口から田辺市本宮町の請川までを結ぶルートで、大雲取越に比べれば、比較的アップダウンが少なく、木立の中快適なトレッキングをお楽しみいただけることで人気のルートです。
小雲取越のハイライトは、コース中程にある「百間ぐら(ひゃっけんぐら)」。山深い紀伊半島の果ての無い峰々を眺望できる名所で、ゆっくりと休憩して眺めを堪能したいスポットです。
距離:約13km 標準歩行時間:4時間30分
※歩行時間に休憩時間は含まれていません。
【コースマップ】 ※ダウンロードはこちら
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 6時間
- 移動手段
- 徒歩

小口自然の家
トイレあり
小口までのアクセス方法は、大雲取越を歩いて小口でお泊りいただくのが一般的ですが、バスで直接小口まで行く方法もあります。
JR新宮駅から熊野御坊南海バス、奈良交通バスで「神丸」バス停まで約40分、「神丸」バス停で「小口」行きに乗り換え約15分です。
本宮方面からお越しの場合は、熊野御坊南海バス、奈良交通バスで「神丸」バス停まで約45分、「神丸」バス停で「小口」行きに乗り換え約15分です。
小和瀬の渡し場跡
トイレ、駐車場あり(標高約60m)
小雲取越の入り口である小和瀬にはかつて渡し船があり、列をなした参詣者を渡したといいます。昭和29年につり橋が架かり、現在はコンクリートの立派な橋に替わっています。
ここから約2.4km先の桜茶屋跡までは、標高差350mほどあり、急な登り坂が続きますので注意して登るようにしてください。
桜茶屋跡
標高約400m
桜峠の手前に位置する茶屋跡。名前の由来は庭先の桜の大木からといわれ、明治の末まで現存していました。その昔は、見晴らしの良いこの茶屋から白装束の巡礼者を見かけると、茶屋の主人が餅をつき、茶を沸かしてもてなしたといいます。
桜峠
標高約466m
桜峠を越えると、ルートは比較的快適な尾根道が続くようになります。
石堂茶屋跡
標高約400m
東屋の休憩所が建つ石堂茶屋跡。江戸時代は茶屋が2軒あり、近くで砥石となる石が採れたため「石砥(いしと)茶屋」とも呼ばれていたと言われています。
林道交差
トイレあり
道を外れますが、林道交差から150mほど林道沿いを下るとトイレがあります
百間ぐら
標高約450m
うっそうとした峠道から突然視界が開ける、「小雲取越」一番の景勝地。崖のそばに佇むお地蔵さんを目印に、熊野の山々をぐるりと見渡せる絶好の撮影スポットです。夕暮れ時には北西方向に沈む夕日も美しく、雄大なパノラマが見られます。
万才峠(ばんぜとうげ)の分岐
標高約320m
万才峠は熊野古道伊勢路との分岐点であり、三重県側から伊勢路を通り本宮を目指した参詣者にとっては最後の峠となる場所でした。
松畑茶屋跡
標高約307m
元文4年(1739)の参詣記「熊野めぐり」に「松畑茶屋とて四、五軒も有」と記され、「伊勢路」からの旅人も利用するほど評判だった茶屋の跡です。茶屋としては昭和の中頃まで続き、現在も高い石積の二軒の屋敷跡がはっきりと残っています。
道を下り切り、国道に出たところに公衆トイレあり
請川バス停
請川到着後は、請川から熊野本宮大社まで歩くか路線バスを使う方法があります。歩く場合は、約3km程度の距離となります。
「本宮大社前」バス停からは、龍神バスでJR紀伊田辺駅まで約2時間10分、「本宮大社前」バス停からJR新宮駅までは、熊野御坊南海バスで約1時間30分です。
せっかくなので本宮で1泊してはいかがでしょうか?
大雲取越に関する情報はこちらから
熊野那智大社・那智山青岸渡寺から新宮市の小口までを結ぶ約15kmのルート。熊野古道中辺路の中でも最難関のルートとなっており、雲をつかむがごとき険しい山に分け入り、厳しい坂道を越えていくルートです。ただしその分歩きごたえがあるとともに、色濃く残る古道の雰囲気や、峠から望む美しい眺望など熊野古道随一の景観美を楽しむことができます。
モデルコースについては下記からご確認ください。