駅から駅へ!初めての大辺路ウォークにもぴったり!大辺路屈指の絶景「長井坂」を歩く日帰りモデルコース(周参見駅~見老津駅)
大辺路で屈指の景観と往時の佇まいを感じながら歩くことができるコースです。
長井坂の登り口と降り口は急勾配となっていますが、それ以外の道は比較的なだらかで歩きやすいのも本コースの特徴です。
駅直結でアクセスがしやすいのとともに、ウバメガシなどに覆われてトンネルのようになった趣のある古道、斜面の南側に広がる枯木灘の展望、土を盛り土手のようにならした「段築」の道など、大辺路屈指の自然・景観美も楽しむことができるため、初めての大辺路歩きにもお勧めのコースです。
距離:約10.5km 標準歩行時間:約3時間10分
※歩行時間に休憩時間は含まれていません。
【コース全体概要】
※本コースの詳細ウォークマップはこちら
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 約5時間
- 移動手段
- 徒歩
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周参見駅(すさみえき)
トイレ・有料駐車場あり
和歌山県すさみ町の玄関口。構内には観光案内所やカフェなども併設されています。
馬転坂入口(うまころびざかいりぐち)
古道への入口となる馬転坂の登り口へ着きます。生コンクリート工場の敷地奥の斜面に位置する急な登り口からスタートし、坂の途中では雄大な枯木灘を眼下に望める場所もあります。馬も転ぶような急坂であるため馬転坂とよばれるようになりました。
タオの峠
JRの線路と平行に進み、線路を越えて登りになってすぐ林道と分かれるタオの峠へと進みます。「たわむ」を地元では「たおる」ということから、タオの峠という名前は「なだらかに起伏した峠」を意味しています。時折石畳や石段が少し薄暗い檜の林の中に見られ、古道の風情ある趣が色濃く残っています。
和深川王子神社(わぶかがわおうじじんじゃ)
トイレあり
寛永2年(1625)、松本四郎大夫広正による遷座。江戸期は若一王子権現社と呼ばれ、春日神社の摂社でした。明治元年(1868)、社名を王子神社と改めました。御神体には室町期以前と推測される懸仏(かけぼとけ)3体が完全な形で保存されています。境内を囲うようにナギ、ムクノキの古木、スダジイなどが密生、古い森林形態を留めています。
長井坂西登り口
長大な峠道が続くことからその名がついた「長井坂」。
急な坂を上りきれば、尾根沿いの平坦な道が続きます。南東の方向には太平洋に浮かぶ小島や陸から海にむかって延びる半島が望め、まさに眺望絶景。ウバメガシに囲まれた林には往年の石畳や道標が建ち、大辺路のなかでも特に古道の面影が色濃く残された峠道です。
Column
段築(版築)
熊野古道大辺路で屈指の景観と往時のたたずまいを遺す長井坂ですが、古道の尾根の部分は「段築」という工法で堅固な土手のように仕上がっています。
段築とはスムーズな通行のために、土をつき固め、丘陵部を土手状に整形して、古道の水平レベルを一定に保つ工法のこと。 江戸時代には既にできあがっていたと考えられています。
全長54メートルに及ぶものもあり、路面がしっかりと水平に保たれています。
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茶屋の段
長井坂の道中には旅人たちの憩いの場である茶屋が明治末期頃まであったといいます。現在は電話中継アンテナが立っていますが、江戸時代以前よりあったと思われる道標石には「みぎハやまみち ひだりハくまのみち(右は山路、左は熊野路)」と刻まれた文字が読み取れます。