和歌山県街道マップ 高野参詣道
高野参詣道は、弘法大師・空海が切り開き最もよく使われた主要道「町石道(ちょういしみち)」のほか、参詣者の出発地点に応じて「高野七口(こうやななくち)」と呼ばれる複数の経路がありました。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 日帰り
- 移動手段
- 徒歩
【高野参詣道 町石道】
九度山駅(くどやまえき)~上古沢駅(かみこさわえき)
このコースは、南海高野線九度山駅から戦国の名将真田親子隠棲の地「真田庵」に立ち寄り、古くから女人高野として名高い九度山町の名刹「慈尊院」の門をくぐるところからはじまります。慈尊院の裏手丹生官省符神社へ向かう石段の途中に町石道の起点180町石がひっそりと佇み、ここからがいよいよ高野山町石道。しばらく進んだ173町石付近から本格的な登りとなり、紀ノ川の眺望を背後に臨みながら高度を稼いでゆきます。杉林の中を気持ちの良い比較的平坦な地道に入り、一里石を過ぎると「丹生都比売神社」との分岐点である「六本杉峠」へ。ここでは静寂に包まれた天野の里に鎮座する「丹生都比売神社」に是非訪れてみてください。
ここから2つのルートのどちらかを選択して町石道に戻った後、南海上古沢駅をめざして一気に下ります。ゴールの上古沢駅周辺は、日本有数の富有柿の産地としても知られています。
所要時間:約6時間15分
上古沢駅~壇上伽藍(だんじょうがらん)
このコースは、南海上古沢駅から柿畑の中を一気に駆け上がり、町石道に取り付くことから始まります。古峠で町石道に合流後、比較的平坦な尾根道を二ツ鳥居、二里石、笠木峠と進み、「矢立」に至ります。矢立は町石道上の要衝で国道480号との合流点付近に60町石があります。
矢立から町石道は、高野山大門に向けての最後の登りにさしかかり、袈裟掛石・押上石・四里石と登って高野山大門へ。険しい町石道を登りきった者を讃えるかのごとき勇壮な大門の姿に、大きな感動を味わっていただけることでしょう。ここ大門を過ぎれば、山内の車道を通って、ゴールの壇上伽藍へは程なくで到着です。
所要時間:約6時間55分
壇上伽藍~大師御廟(ごびょう)
高野山内の二大聖地である「壇上伽藍」と「奥の院」を結ぶルートで、全行程を通じて高野山上の盆地を行く平坦なコースです。壇上伽藍から、高野山真言宗総本山「金剛峯寺」に立ち寄り、高野山内のメインルート沿いに、「苅萱堂」から奥の院参道入口の「一の橋」へと、見所の多いこの区間は時間に余裕を持って歩きたいもの。コースを外れて点在する寺院に参拝しながら進みましょう。一の橋を過ぎるといよいよ奥の院の霊域に。参道の両側には、戦国武将や江戸時代の大名、歴史に名を馳せる高僧を含む、20万基とも40万基ともいわれる墓石が所狭しと立ち並び、この世とは思えぬ幻想的な風景が広がります。最後に弘法大師が生き身のままご入定されているといわれる「弘法大師廟」に参詣すれば、見も心も清められることでしょう。
所要時間:約2時間2分
【女人道・高野三山】
女人道巡り・高野三山巡り
高野山は八葉の峰と呼ばれる1,000m前後の山々に囲まれた山上の平坦地で、明治5年に女人禁制が解かれるまで、厳しく女性の入山を規制してきました。高野山への参道としては俗に「高野七口(こうやななくち) 」と呼ばれる街道が通じており、かつては各入口に女性のための籠り堂として女人堂が建てられ、女人信者は御廟を拝みたいと、女人堂から女人堂へ八葉蓮華の峰々を辿ったといわれ、この道を「女人道(にょにんみち)」と呼んでいます。
このコースは、どちらも往時の女人道を辿るもので、峰々を周回する女人道を基本とした、2つのコースを紹介しています。
所要時間:約3時間35分(高山三山)、約4時間40分(女人道)
【高野参詣道 三谷坂(みたにざか)】
妙寺駅(みょうじえき)~丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)
所要時間:約3時間
【高野七口】
弘法大師空海により開創されて以降1200年間、和歌山県の高野山は多くの人々の信仰を集め、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産へも登録されました。高野山へ通ずる7本の街道「高野七口街道」は、参詣道として多くの人々が行き交い、また現在はハイキングルートとしても人気を集めています。
世界遺産にも登録されている「高野山町石道」「熊野古道小辺路」を含む6本の街道を、一日で楽しめるウォーキングコースとしてご紹介します。自然と歴史あふれる古の道を歩いてみませんか。
高野参詣道 京大坂道(きょうおおさかみち)
京都府八幡市・堺市から東・中・西高野街道が河内長野市で合流し、紀見峠を越えて和歌山県に入り、学文路駅から宿場跡をたどりながら不動坂口女人堂へ至る京大坂道。
所要時間:約4時間57分
黒河道(くろこみち)
橋本市からほぼ真南に高野山をめざす健脚ルート。いくつかの集落・集落跡を通り、女人道の通る黒川峠をめざします。
所要時間:約7時間35分
大峰道(おおみねみち)
高野と吉野、2つの霊場を結び、修験者と巡礼の人々が歩いた街道。昔の面影のある町並みを通りながら、五條市から野廹川村を経て、高野山に至ります。
所要時間:約6時間15分
有田・龍神道(ありだ・りゅうじんみち)
かつては、護摩壇山・龍神温泉を経て中辺路に通じた、熊野道とも称された街道。眺望を楽しみながら、大門をめざします。
所要時間:約5時間5分