和歌山県街道マップ 熊野古道大辺路

万葉の昔にはすでに、都人が海路を併用しながら利用したと思われる古道で、大辺路(おおへち )という分類においては田辺市から那智勝浦町までの海沿い、約120kmの区間を指します。
熊野参詣のルートとしては中辺路(なかへち)が多用されたため、大辺路は時間に余裕のある庶民や文人墨客が枯木灘や熊野灘の風景を愛でながら歩いた道であったようです。江戸時代初期には紀州藩により一里塚が沿線に築造され、藩主や三宝院門跡の大行列もこの道を通過しました。大辺路は四十八坂と称されるほど急坂や小坂が多く、そのため部分的には開発を免れ、往時の景観を遺しているところも少なくありません。 



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所要時間
各ルート日帰り
移動手段
徒歩
和歌山県街道マップ 熊野古道大辺路
Start

紀伊田辺駅~紀伊富田駅(きいとんだえき)

紀伊田辺駅からはほど近くの鬪鶏神社(とうけいじんじゃ)に訪れ、しばらく田辺市の町中を歩きます。櫟原神社(いちはらじんじゃ)を過ぎると、山王橋を渡ります。山王橋は欄干がない分、全方向の解放感が魅力的です。その後、富田川沿いを下流に進み、草堂寺を目指します。

所要時間:約7時間30分

紀伊富田駅~安居の渡し場跡(あごのわたしばあと)

田辺市北新町を起点に平野部を南下してきた大辺路は、白浜町富田の草堂寺付近から最初の難所である安居辻松峠への「富田坂(とんだざか)」にさしかかります。林道を登りつめ、背後に白浜方面の眺望を眺めながら進むと、富田坂茶屋跡に到着。ここから程なくで、日置川町との境界にあたる「安居辻松峠(あごつじまつとうげ)」に至ります。安居辻松峠から林道に合流し一気に下った後、紀伊半島屈指の清流日置川のほとりにある安居の渡し場跡でゴールとなります。

南紀の青い海や清流に触れていただける自然美に富んだコースです。

所要時間:約5時間45分

安居(あご)バス停~周参見駅(すさみえき)

大辺路街道をゆく旅人は、安居の渡しで日置川を渡り南下したといわれていますが、現在は安居からみて下流にある口ヶ谷の橋で南岸に渡り、日置川の南岸を旧渡し場跡まで遡ります。渡し場跡からは仏坂の登りを一気に登りつめますが、ここから、すさみ町の入谷までの間は、自然林に囲まれた尾根道、石畳道が続くこのコースのメインルートとなります。ここでは、南紀の美しい自然と、歴史を感じていただけることでしょう。

すさみ町入谷から、古道は県道と重複し、道自体にもはや昔の面影はありませんが、道沿いに立つ石仏や名号碑が、この道がかつての街道の道筋であったことを示しています。

所要時間:約4時間22分

周参見駅~見老津駅(みろづえき)

大辺路街道で屈指の景観と往時の佇まいを残す長井坂は国道42号沿いの西浜バス停から山中に分け入り、王子神社等が鎮座する和深川の里へ至ります。この和深川の里を過ぎると、幕末の国学者・熊代繁里が「此坂もみちいとけはしく一里あまりがほど人家なし」と記しているとおり、現在でも人跡まれな「長井坂」へとさしかかります。登り口、下り口とも非常に急な勾配の坂ですが、峠道は枯木灘の眺めもよく、平坦な区間が長く続きます。ウバメガシ等海岸性常緑樹が覆う山の斜面の南側には広大な太平洋が開け、道沿いにはそのままの自然林が残されるここ長井坂では、心地よいハイキングがお楽しみいただけることでしょう。

所要時間:約4時間15分

見老津駅~田子駅

このコースは、すさみ町から本州最南端の町、串本町へと入ります。見老津駅から国道に出ると目の前には、大海原が広がります。その後、里野の浜から海岸沿いを歩くと六坊浜に着きます。さらに歩みを進め、串本町に入ると、石段と石畳が50m以上続く新田平見道があります。新田平見道を過ぎると、田子駅までもう少しです。

所要時間:約5時間

田子駅~串本駅

このコースは、富山平見道、飛渡谷道の山中の景色と海岸沿いの道から望める景色が特徴的です。田子駅からほどなく歩くと、富山平見道に入ります。木の根の道により、大辺路特有の雰囲気に包まれます。その後トンネルをくぐり、国道へ出ます。国道では車両等に注意しながら串本町の市街地を目指して歩きます。

所要時間:約7時間1分

串本駅~古座駅

大辺路は本州最南端串本町に入り、串本町の市街地の北側を抜け古座町姫へと至ります。このコースでは、串本市街地の散策とあわせて、大辺路を散策しましょう。JR串本駅から市街地を抜け、長沢芦雪の絵寺として有名な「無量寺」に立ち寄ります。無量寺からは市街地を古座とは逆の方向に向かって大辺路街道と合流した後、市街地の北を流れる鬮野川(くじのがわ)に沿って古座町姫へ。姫からは雄大な熊野灘に導かれるようにして、清流古座川の河口に開けた古座の町をめざします。全区間を通じて大きな峠越えはないものの、本州最南端の眩い大海原が印象的なコースです。

所要時間:約3時間20分

古座駅~紀伊浦神駅、古座駅~太地駅

所要時間:約4時間50分(古座駅~紀伊浦神駅)、約7時間40分(古座駅~太地駅)

紀伊浦神駅~那智駅

静寂な浦神湾に面する、紀伊浦神駅を起点に、熊野灘から分かれ、小さな峠越えを繰り返しながら、那智の浜をめざします。浦神駅から、国道、JRと別れ裏手の道に入り、休平を越えてその先太田川、市屋峠、ゆかし潟へと進む道の途中には、石階段・地蔵道標等古道の面影が随所に残っています。

コースの途中には湯川温泉・南紀勝浦温泉等といった名湯も点在しており、これらの温泉に立ち寄りながらハイキングをお楽しみいただくことも可能です。

ゴールの浜の宮王子で、街道は熊野速玉大社からの本道と合流します。

所要時間:約5時間28分

熊野古道 大辺路の街道マップ【YAMAP】

Goal
  • 紀伊田辺駅~紀伊富田駅(きいとんだえき)
  • 紀伊富田駅~安居の渡し場跡(あごのわたしばあと)
  • 安居(あご)バス停~周参見駅(すさみえき)
  • 周参見駅~見老津駅(みろづえき)
  • 見老津駅~田子駅
  • 田子駅~串本駅
  • 串本駅~古座駅
  • 古座駅~紀伊浦神駅、古座駅~太地駅
  • 紀伊浦神駅~那智駅

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