熊野古道 小辺路
高野山大門の南側から高野山大学の裏手に続いている高野山のかつての外周道(結界道)、いわゆる女人道(にょにんみち)の終点である、ろくろ峠を起点として、高野山と熊野本宮を最短距離で結ぶ約70kmの街道を高野街道もしくは熊野古道小辺路(こへち)といいます。
途中、水ヶ峰、伯母子岳、三浦峠、果無峠と、1,000m級の山越えがあり、最短ルートといえどもかなり険しい山岳道です。江戸時代中期の『三熊野道中日記』には、摂津国の造酒屋、八尾八左衛門が三泊四日で高野山から熊野本宮に至ったと記されています。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 日帰りまたは2泊3日(ルートによって異なる)
- 移動手段
- 徒歩
高野山~水ヶ峰
紀伊半島のほぼ中央部に位置する「熊野古道小辺路」と呼ばれる道は霊場高野山と神域熊野という二大聖地を最短で結ぶ街道で、熊野から高野へ向かう人々はこの道を単に「高野道」と呼んでいたようです。標高1,000mを越える険しい峰々を行く「小辺路」は70kmを越える距離と、宿泊施設の少なさから相応の準備が必要となりますが、このコースは日帰り感覚でお楽しみいただける区間です。
高野山からろくろ峠、大滝の集落を通り、高野龍神スカイライン沿いの「野迫川村総合案内所前」まで、若干のアップダウンはあるものの初級者でも充分お楽しみいただけますが、標高が高く、交通機関も不便であるため、充分計画を練ってお楽しみください。
所要時間:約4時間35分
水ヶ峰~三浦口~柳本橋(やなぎもとばし)
高野山を出発して水ヶ峰を越え、伯母子峠、三浦峠と1,000m級の峠を2つ越えて十津川温泉に至るロングコース。途中、大股と五百瀬で宿泊し、2泊3日で踏破する熟練者向けのハードなコースです。手つかずの自然が残り、徒歩でしか行けないところも多く、往時の古道を体感出来ます。
所要時間:約17時間30分
十津川温泉~熊野本宮大社
奈良県南部の十津川温泉を起点に、熊野本宮大社をめざします。標高1,000m強の果無峠を越える行程はかなり険しいものですが、果無集落から八木尾にかけての峠道には、大正末期に地元の人々に寄進によって西国三十三番札所を模した観音石仏が据えられ、疲れた旅人を導き、癒してくれます。
果無峠への厳しい登りを過ぎ、七色辻まで下れば、奈良県からいよいよ和歌山県へ。八木尾で国道に合流したのち、三軒茶屋跡で熊野古道中辺路街道に合流し、程なく熊野本宮大社に到着となります。
所要時間:約6時間58分