熊野古道大辺路 ロングトレイルの歩き方 2日目 紀伊富田駅~周参見駅(総歩行距離:24.4km)
この日はまずは草堂寺を訪問し、本日の旅の無事の祈願を。草堂寺を辞すと、すぐ横の登り口から大辺路最初の難所と言われる富田坂に入ることができます。九十九折りの急坂を登っていくとその途中で白浜温泉街を遠くに望む眺望が広がり、一息つくことができます。安居辻松峠からは林道が麓まで続いており、途中では梵字塔、庚申塔に出会います。安居の集落に入り、商店や学校が並ぶ通りを抜けると日置川の安居の渡しはすぐそこ。渡し舟を利用して対岸に渡り、仏坂を登り、仏坂の茶屋跡を過ぎると林道へ出ますが、茶屋跡から地主神社間は林道で下村集落まで下りていきます。太間川に沿って、すさみの市街地へと歩いていくと、本日最後の目的地である周参見王子神社が左手に現れます。
※途中の安居で歩き終える場合、安居には宿泊施設が1軒しかないため、泊まれない場合は事前に予約した白浜町コミュニティバス(三舞線)で安居バス停から乗車し、日置市街地またはバス路線沿線の宿に一泊し、翌日同じ場所に戻り、再び歩き始めましょう。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 1日
- 移動手段
- 徒歩
紀伊富田駅(きいとんだえき)
草堂寺(そうどうじ)
富田坂の麓に位置する禅宗の寺院であり、本尊として阿弥陀如来が祀られています。本堂の襖絵は江戸時代の中期に活躍した絵師長沢芦雪(ながさわろせつ)が円山應挙の代理として来寺し、描いたものと伝わり、実物は重要文化財として和歌山県立博物館に展示されています。また境内にある観音堂も美しい佇まいで、1本の欅で造られていることから一木堂(いちもくどう)とも呼ばれています。
富田坂・安居辻松峠(とんだざか・あごつじまつとうげ)
草堂寺のすぐ横に南側からの登り口があり、大辺路の最初の難所といわれています。安居辻松峠までの5kmほどの登り坂は、古の情緒あふれる道で歩きごたえ十分。安居辻松峠からは長い下り坂で、三ヶ川沿いを歩くとその先では紀伊半島屈指の清流である日置川のほとりにある安居集落へたどり着きます。
※熊野古道大辺路押印帳のスタンプポイントは一里松跡にあります
安居の渡し(あごのわたし)
大辺路で唯一残る渡し。昔ながらの川舟で日置川の清流を渡り、仏坂の入口まで行くことができます。安居の渡しを利用するには事前の予約が必要です。
※熊野古道大辺路押印帳のスタンプポイント
運航日:土曜日、日曜日、祝日
運航時間:9時~10時、13時30分~14時30分 乗船料:500円
予約方法:住所、氏名、連絡先、運航希望日、時間、人数を下記専用携帯電話へショートメールにて送信してください。
安居の渡し保存会専用携帯番号:080-2500-3223
※予約は運航希望日の2日前の17時までに行ってください
※年末年始及びお盆期間は運休します
※川の増水のほか、強風や天候等により運休する場合があります
仏坂(ほとけざか)
安居の日置川を渡った対岸からすさみに通じる古道で、茶屋跡も残る古い面影を今に残しています。自然林に囲まれた九十九折りの美しい林の道は世界遺産に登録されています。なお、仏坂茶屋跡から地主神社間は通り抜けができない箇所があるため、下村集落まで迂回して、地主神社へ向かいましょう。
地主神社(じのしじんじゃ)
背後の巨石や木々を含む森林全体をご神体とする、建物の社殿がない珍しい神社。地元では「空神さん」と呼ばれることもあり、熊野ではこのように大樹や巨岩を御神体とする自然崇拝が多数存在しています。
※熊野古道大辺路押印帳のスタンプポイント
周参見王子神社(すさみおうじじんじゃ)
主神は天照大御神であり、当地の領主であった周参見氏が、熊野那智大社から勧請してきたものといわれています。多くの歴史的に貴重な絵馬が奉納されていますが、中でも周参見港や稲積島が描かれた船絵馬からは、熊野・枯木灘を行き交う浪速・江戸航路の中継地・避難港として栄えていた当時の様子を伺うことができます。
※熊野古道大辺路押印帳のスタンプポイント
周参見駅(すさみえき)
本日のゴールです。駅内には観光案内所(9時~17時。月・木曜定休)も併設しているので、情報収集に訪れるのもよいかもしれません。