熊野古道大辺路 ロングトレイルの歩き方 4日目 江住駅~田並駅(総歩行距離:16.3km)
江住駅を出発し、立派な祠を備えた字の平見地蔵や大平見の地蔵を抜けると、里野の浜からは海岸を歩きます。石畳の道を登り、海岸に別れを告げ、木ノ本神社を越えると、和深集落へ。和深駅に到着したら、そばにある美しい風景が広がる和深海岸に立ち寄ってみるのも良いでしょう。続いて、美しい石畳の残る新田平見道を歩き、田子駅を過ぎ、薄暗いトンネルを抜けると石畳とそれを包み込む木の根道が特徴の富山平見道に至ります。その後、サラシ首層や江田海岸など南紀熊野ジオパークの見所が多い海岸線の道を田並まで進んでいきます。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 1日
- 移動手段
- 徒歩
江住駅(えすみえき)
里野の浜(さとののはま)
枯木灘の海岸にある知る人ぞ知る美しい浜。砂浜の両端には岩場があり、シュノーケリングをはじめ磯遊びにも最適。海中にはテーブル珊瑚を見ることもでき、夏場はウミガメが産卵のために上陸することもあります。天候や季節により海の色が変わり、特に美しい青色は「すさみブルー」と称されるほどです。
和深海岸(わぶかかいがん)
和深駅近くにあり、三方を崖に囲まれているのでプライベートビーチ感たっぷりの海岸です。砂岩と泥岩が交互に積み重なった砂岩泥岩互層はタービダイトと呼ばれ、南紀ジオパークのジオサイトにも登録されています。グレ・チヌ・シマアジなども狙えると、釣り人に人気の海岸です。
新田平見道(にったひらみみち)
2016年に世界遺産に追加登録された道で、石畳の道を歩くと古の雰囲気を感じられます。 「平見」とは、海岸に突き出たような平らな小山の呼び名で、海岸が隆起してできた海岸段丘により形成されています。平見ではかつて乾燥に強いサツマイモや麦の二毛作が行われていました。
※熊野古道大辺路押印帳のスタンプポイント
富山平見道(とみやまひらみみち)
所々で崩れてはいるものの、200メートルほどの苔むした石畳が続きます。新田平見道とは異なり、ここの石は谷から拾ってきたために丸いと言われています。石段は幅2mほどで50段以上あり、大辺路随一の規模を誇ります。石段の一部には「キクメイシ」といわれるサンゴが使用されています。
サラシ首層(さらしくびそう)
富山平見道南に広がる田子の浦の磯にあり、広くて平らな海岸にまるで「さらし首」のようにニョッキリと大きな岩がそそり立つ光景は非常にユニークです。南紀熊野ジオパークのジオサイトのひとつで、岩はころがっているのではなく、下の岩盤とつながっています。
江田海岸(えだかいがん)
まるで洗濯板のようにギザギザとした岩場が続く海岸には、地層が曲がりくねっている褶曲(しゅうきょく)も見られ、周辺には巨石が散在するなど、荒々しくも美しい海岸です。サラシ首層と同じく、南紀熊野ジオパークのジオサイトにも登録されています。
田並駅(たなみえき)
本日のゴールです。2024年3月現在では、周辺には宿は一軒しかないため、脚力に自身のある方は串本駅周辺まで足を伸ばすのも一案です。