熊野古道大辺路 ロングトレイルの歩き方 5日目 田並駅~串本駅(総歩行距離:9.3km)
歩行距離が10kmを切る短いルートですので、この日は疲れを調整し英気を養う一日にしてはいかがでしょうか。田並集落を出発するとすぐに飛渡谷道があります。鳥のさえずりが聞こえる峠道を進み、有田集落に下りる手前で美しい風景を独り占めできる展望所で休息を取ります。串本の町に入る前に、陸から眺めていた太平洋の海の中を体験できる串本海中公園がありますので、もし関心がある場合には開園時間に合わせて歩き始めを調整するのも良いでしょう。そして、串本駅の手前にある無量寺で円山応挙、長沢芦雪の作品を鑑賞し、当地の歴史文化に触れてみるのもおすすめです。串本駅周辺では、ビジネスホテルだけでなく、温泉なども併設したリゾートホテルなどもありますので、ここでこれまでの旅の疲れを癒しましょう。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 1日
- 移動手段
- 徒歩
田並駅(たなみえき)
飛渡谷道(とびやたにみち)
田並集落と有田集落を結ぶ全長400mの道には苔むした石畳が残り、杉木立の中を流れる谷川に沿って歩いていきます。途中では田並と有田の境界を示す石柱が残っています。新田平見道や富山平見道などとともに、世界遺産に登録されています。
※熊野古道大辺路押印帳のスタンプポイント
串本海中公園(くしもとかいちゅうこうえん)
日本初の海中公園であり、黒潮の影響を受けた海は冬でも15℃を下回りません。この温かい海では熱帯魚や世界の北限と言われる本州最大のテーブルサンゴの群落など美しい海中景観が広がります。水族館や海中展望塔、ダイビング施設、半潜水型海中観光船などが整えられ、一年中楽しめるスポットです。串本沿岸海域は、独自のサンゴ生態が評価され、2005年にラムサール条約湿地に登録されました。
無量寺(むりょうじ)
臨済宗の寺院であり、円山応挙や長沢芦雪等の作品を中心に、室町・桃山・江戸時代の絵画を展示。応挙・芦雪の襖絵55面は1979年に国の重要文化財の指定を受けました。お寺はかつて1707年の宝永地震の津波で全壊しましたが、1786年に再建されました。
串本駅(くしもとえき)
本日のゴールです。本州最南端の駅で特急くろしおを含む全ての列車が停車します。串本町内にある潮岬や樫野崎、橋杭岩などの風光明媚な主要観光地の玄関口となっており、駅には観光案内所が併設、バスやタクシーも乗り入れています。駅には「本州最南端の串本駅」の石碑があり、その前で記念撮影をする方も。