熊野古道大辺路 ロングトレイルの歩き方 6日目 串本駅~紀伊田原駅(総歩行距離:15.0km)
この日は、国道沿い歩きが長い一日となります。串本駅から国道沿いを北に向かい、橋杭海水浴場のそばを歩くと、不思議な岩柱が海に連なる、大辺路の中でも随一の絶景「橋杭岩」が現れます。美しい日の出が見られる場所として知られていることから、朝日の時間に合わせて宿を出発するのも良いでしょう。橋杭岩を越え、姫集落を抜け、右手に九龍島と鯛島を眺めながら古座橋を渡ると古い漁村の街並みが軒を連ねます。古座神社から再び海岸線に出て、本日の終点である紀伊田原駅に向かって歩きます。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- 所要時間
- 1日
- 移動手段
- 徒歩
串本駅(くしもとえき)
橋杭海水浴場(はしぐいかいすいよくじょう)
橋杭岩に隣接するビーチは、紀伊大島やくしもと大橋の眺望も広がる美しい海水浴場です。シャワー、売店、駐車場、ロッカールームが完備されており、春から秋にはシーカヤックやSUPも楽しめます。
橋杭岩(はしぐいいわ)
大小40余りの岩柱が850mの列をなして、海の中にそそり立つ光景は圧巻。海の浸食により岩の硬い部分だけが残り、あたかも橋の杭だけが立っているように見え、その昔、弘法大師と天の邪鬼が賭をして、一夜にして立てたという伝説も残ります。吉野熊野国立公園にあり、国の名勝天然記念物に指定されています。
九龍島と鯛島(くろしまとたいじま)
九龍島は古座川河口から約1kmの沖合にある島で、亜熱帯性のタブノキの群落が見られます。島には九龍島神社があり、弁財天が祀られており、源平合戦で活躍した熊野水軍の拠点であったとされます。また、鯛島は、対岸から見ると鯛の形をしており、目の部分に穴が空いていることから、朝日が入った姿は「金目鯛(きんめだい)」とも呼ばれて親しまれています。
古座街道道路元標(こざかいどうどうろげんぴょう)
「これより上 古座街道」「下 大辺路街道」「右 古城山」「左 大辺路街道」と記された真ちゅう製のデザインは東京日本橋にある「日本国道路元標」を模して、2010年に設置されました。道路元標とは、全国に道路網を整備するための基準物として、1919年に各市町村に1か所ずつ設置することが定められたもの(1952年に廃止)で、ほとんどが石柱でした。この場所は、江戸時代には紀州藩の高札場がおかれ、かつての旧古座町役場があり、道路元標も設置されていましたが、たび重なる道路改修の中で、いつの間にか失われてしまった歴史があります。
荒船海岸(あらふねかいがん)
串本町から那智勝浦町にかけての海岸沿いに3kmにわたって波の浸食によって作り出された奇岩が続く風光明媚な海岸。海岸沿いの道はハイキングコースとして歩くことができ、釣り場としても人気が高いです。また、底冷えの冬の早朝には「海霧」が発生し、幻想的な光景に出会えます。
紀伊田原駅(きいたはらえき)
本日のゴールです。体力に余裕があれば、上述の荒船海岸のハイキングコースを散歩してみてはいかがでしょうか。