ありをさんが歩く熊野古道中辺路(前編) ~令和の熊野詣 熊野古道中辺路リレーウォーク~
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念して実施する和歌山県主催事業「令和の熊野詣 熊野古道中辺路リレーウォーク」。
全6回に渡り、中辺路をリレーウォークし熊野三山を目指す本事業。
その第2回に漫画家・イラストレーターのありをさんに参加いただいた記録を、前後編に分けてありをさんのイラストも交えながらお送りします!
※今回使用するイラストは全てありをさんの許可を得て@arichon_officialから転載しています
今回歩いたコース
今回ありをさんが歩いた2日間のツアー行程。ツアーでない場合でも、本コースは路線バスとも接続しており、熊野古道初心者にもお勧めのコースだ
ありをさんプロフィール
愛媛県出身。山登りが大好きな漫画家・イラストレーター。デビュー1年目で山登りエッセイ漫画『ゼロから山女子始めてみました』(KADOKAWA)を出版。現在は看護師をしつつ、山登り初心者に向けて山の楽しさや安全についてインスタグラム(https://www.instagram.com/arichon_official/)にて発信をしている。
期待と不安が入り混じる初日 水垢離で身を清めいざ熊野詣へ
稲葉根王子~清姫の墓 約10km
まずは参加者の皆様の前でご挨拶。出発を前に少し緊張気味のありをさん
本日の熊野古道ウォークの始まりは、「稲葉根(いなばね)王子」。
熊野古道には道中に、熊野の御子神を祀った「王子」と呼ばれる社がたくさんあり、その数の多さから「九十九王子」と総称されています。
そして、その中でも特に格式の高い5つの王子は五躰(ごたい)王子と呼ばれ、稲葉根王子はその中の一つに数えられる由緒ある王子なのです。
稲葉根王子跡には世界遺産の記念碑も
本ウォークでは、稲葉根王子参拝後、冨田川(とんだがわ)にて水垢離(みずごり)を実施。
稲葉根王子の前を流れる冨田川はかつての熊野詣において、熊野の霊域に入る前の重要な水垢離場とされていた場所。
水垢離とは神仏に祈願するため、冷水を浴びて身体の穢れを払い身を清めること。
今回の熊野詣では、さすがに全身を川の水で清めることはできないので、かつての熊野詣の様子を偲びながら手を清めることに。
今回は手のお清めだけ
ありをさんの想像する水垢離。かつての水垢離はこんな感じだったのだろうか・・・
川で水垢離をするのが難しい場合は、川の前に水垢離場も整備されている
身を清め、いざ熊野詣に出発。この日は霧雨舞う中でのウォークとなりましたが、まずは次の王子である一瀬(いちのせ)王子を目指します。
今回のウォークは語り部の案内つき!ということで、語り部さんの話を聞きながら歩みを進めていきます。
ウォーク前半はほぼ舗装路歩き
実際にはこんなに元気いっぱいに出発したありをさん!
実は熊野古道中辺路と言えど、本格的な山道に入るのは2日目に歩く滝尻王子以降。
この日の行程では、ほとんどが川沿いの舗装路を歩きます。距離は若干長いですが、熊野古道初心者の方でも歩きやすい道なのでお勧めです。
語り部の案内があると学びながら熊野古道ウォークを楽しむことができるのでお勧めだ
稲葉根王子を出るとほどなくして一瀬王子に到着しますが、中辺路の道中には、王子だけでなく様々なお地蔵様なども祀られています。
そうした場所場所において、かつて熊野詣をされていた方々に思いを馳せ、手を合わせて歩くのも熊野古道ウォークの魅力の一つです。
古の参詣者にも思いを馳せて手を合わせる
鮎川王子、住吉神社を経て、本日唯一の未舗装路である「北郡越え(ほくそぎごえ)」へ。
北郡越えの道は世界遺産にも登録されており、雰囲気の良い土道の上を古道の趣を感じながら歩くことができます。
本日唯一の未舗装路「北郡越え」。趣ある道が続きます
山や川、岩や森などの自然崇拝が信仰の原点である熊野。ありをさんも道々の自然物から何かを感じ取っているようです
一歩一歩、その歩みを進めるたびに熊野詣の魅力に惹かれていくありをさん。
現地を訪問することでしか感じることのできない空気、その雰囲気に触れ熊野への思いが強まります。
そんなことを考えながら峠を越え、大きな吊り橋を渡ると、ほどなくして本日のゴール地点である清姫の墓に到着。
本日はここで解散して、一旦お宿へ移動。
ありをさんの熊野詣は明日も続きます。
明日はどんな旅路が待っているのでしょうか?
後編に続きます!