かほさんが歩く熊野古道中辺路(熊野那智大社・那智山青岸渡寺編)
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念して実施する和歌山県主催事業「令和の熊野詣 熊野古道中辺路リレーウォーク」。
全6回に渡り、中辺路をリレーウォークし熊野三山を目指した本事業。
その第6回に登山に関するYoutube配信を行っているかほさんに参加いただいた記録を今回はお送りします!
かほさんプロフィール
岐阜県出身。2019年、YouTube「かほの登山日記」を開設し、自身の山行の様子、山での食事、ギアの紹介などの動画を投稿。チャンネル登録者は31万人を超え、雑誌、ラジオなどでも活躍。著書に『山登りを趣味にする ソロ登山ステップアップ』(マイナビ出版)。
【ウォークレポート】
ついに感動のゴール!熊野詣の最終目的地へ
今回、かほさんが歩いたのは、JR那智駅から、熊野那智大社・那智山青岸渡寺を経て、那智の滝を目指す約7.5kmのコース。
道中には、世界遺産の「補陀洛山寺(ふだらくさんじ)」や、往時の姿を色濃く残す石畳道の「大門坂(だいもんざか)」などがあり、美しい自然景観だけでなく、歴史や文化なども感じ・学びながら歩くことができる熊野古道中辺路の中でも随一の人気コースとなっています。
今回訪問する熊野那智大社を含む「熊野三山」を巡ると、過去・現在・未来の安寧が得られるとされており、熊野速玉大社は前世の罪を浄め、熊野那智大社は現世の縁を結び、熊野本宮大社が来世を救済すると言われています。
そのため、「よみがえりの聖地」とも呼ばれている熊野。
前回までのウォークで、熊野本宮大社と熊野速玉大社を訪問済みのかほさん。果たしてかほさんのよみがえりの旅は今回どのような結末を迎えるのでしょうか?
いよいよウォークがスタート!
補陀洛山寺。平安時代から江戸時代にかけて、僧が南の海のかなたにあるといわれる観音浄土を目指して船出する捨て身の業「補陀落渡海(ふだらくとかい)」の出発点となったお寺です。
この日はJR那智駅から徒歩5分の場所にある補陀洛山寺に集合し、ウォークはスタート。
出発に先立って、本日の訪問地の一つである那智山青岸渡寺の修験団体「熊野修験」の山伏による法螺貝が吹かれ、旅の無事が祈願されました。
法螺の音が静かな境内に心地よく響きます
補陀洛山寺を出発するとしばらくは舗装路歩き。
緑豊かな風景の中を、冬晴れの気持ちいい空気のもと歩いていきます。
道中は道標がしっかり整備されていて安心して歩くことができます
眼前にはこれから目指す那智の山々の風景が!
途中、一部山道に入り古道の雰囲気も感じながら歩みを進めていくと、補陀洛山寺から1.5時間程度で、大門坂の入口前に到着します。
舗装路歩き中心ですが、一部山道にも入ります
この日のお弁当はマグロ弁当。実は那智勝浦町は生マグロの水揚げ量日本一なのです
地元の名産でお腹を満たした後は、いよいよ本日のハイライトの一つである大門坂へ。大門坂は、観光パンフレットやポスターなどでもよく使われる熊野古道の中でも一二を争う写真映えスポット。
その美しさと静謐な空気感には圧倒されること間違いなしです!
大門坂。熊野那智大社への参道であり、約650m、267段の美しい石畳道が続きます
大門坂手前にある振ヶ瀬橋(ふりがせばし)。ここが俗界と霊界の境目であるといわれています
大門坂の杉並木の中には樹齢800年を超えるものも。かほさんと比べるとその大きさがよく分かります
多富気王子(たふけおうじ)。大門坂の道中にあり、熊野九十九王子最後の王子です
大門坂を登りきるとホッと一息・・・、なのですが実は登り階段はまだまだ続きます。次は熊野那智大社に向かう石段が467段!
足を上げるのが辛くなってきますが、自分のペースでゆっくり着実に登っていきましょう。
石段は長いですが、道中はお土産も見ながら楽しく歩くことができます
美しい鳥居が見えると熊野那智大社まではもうすぐ!
ついに熊野那智大社に到着!
この日は無事到着できたことを感謝し、正式参拝を実施。かほさんも緊張の面持ちです
熊野那智大社参拝後は、那智山青岸渡寺へ。
那智山青岸渡寺は、1868年の神仏分離令以前までは、熊野那智大社と一体をなす、神仏習合の一大修験道場であり、今もその名残を色濃く残すお寺です。
那智山青岸渡寺。同寺は西国三十三所観音霊場の第一番札所でもあります
那智山青岸渡寺では護摩法要を実施。参列者の願いを記した護摩木も一緒に炊き上げていただきました
そして一行は、本日のゴールの那智の滝へ。
那智の滝は、熊野那智大社の別宮「飛瀧神社(ひろうじんじゃ)」の御神体であり、日本一の落差(133m)を誇る大滝です。
青岸渡寺から那智の滝に下っていく道中には、三重塔と那智の滝を同時に収めることができる絶好の撮影スポットが
那智の滝前にて。那智の滝は日本三名瀑の一つですが、かほさんは那智の滝訪問で、三名瀑コンプリートしたとのこと!
「熊野詣の最終目的地、熊野那智大社そして那智山青岸渡寺を本日無事訪問することができました。お寺と神社が一体となったこういった神仏習合の姿を見ると様々な文化を柔軟に受け入れる精神を持った日本人に生まれてよかったと改めて思いますね。熊野三山も無事全て訪問することができて感無量です」と、ゴールを迎えたかほさん。
平安時代の上皇や貴族による熊野御幸にはじまり、やがては武士や庶民に至るまで「蟻の熊野詣」と形容されるほど、あらゆる人々が目指した聖地「熊野」。
時代が変わった現代でも、その想いは連綿と繋がっており、現地を訪問することできっとその息吹を感じていただくことができるはず。
皆様も、世界遺産登録20周年を迎えたこの機会に「令和の熊野詣」の旅路に出かけてみませんか?
本日参加の皆様と熊野那智大社にて。
Column
かほさんが歩く熊野古道中辺路を動画でチェック!
かほさんが熊野速玉大社・熊野那智大社を訪問した様子がYoutubeで配信されていますのでぜひチェックください!
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