Youtuber麻莉亜(マリア)さんが歩く1泊2日熊野古道中辺路(小雲取越・大雲取越)ウォーク!

世界でも例が少ない「世界遺産の道」として国内外の多くの登山・トレッキング愛好家の憧れの目的地となっている熊野古道。

その熊野古道の中でも、歩きごたえがあり、景観の美しさと歴史的な背景の両方を楽しみながら歩くとことができる道が「小雲取越(こぐもとりごえ)・大雲取越(おおぐもとりごえ)」ルートです。

今回はこのルートを、登山系YouTuberの麻莉亜さんが1泊2日で歩いた様子を紹介します!

Youtuber麻莉亜(マリア)さんが歩く1泊2日熊野古道中辺路(小雲取越・大雲取越)ウォーク!

小雲取越・大雲取越とは

  • 熊野古道随一の絶景スポット百間ぐら(小雲取越)
  • 大雲取越は厳しくも雰囲気の良い道が続く

平安時代以降、歴代の上皇や貴族、やがては身分や老若男女を問わず多くの人により行われた「熊野詣(くまのもうで)」。熊野詣とは、険しい山道を越えて巡礼の旅を続けることで魂が救われると信じ、甦りの聖地である熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺)を目指した旅路のこと。

その中でも、熊野本宮大社と熊野那智大社・那智山青岸渡寺を山岳路で結ぶルートを小雲取越・大雲取越と呼びます。 小雲取越は、田辺市本宮町の請川(うけがわ)から新宮市熊野川町の小口(こぐち)へと続く道、大雲取越は小口から那智勝浦町に向かう道です。

麻莉亜さんプロフィール

岐阜県出身。Youtubeチャンネル登録者数23.7万人。単独行で日本アルプスから低山まで全国の様々な山を歩く。

バリエーションルートや雪山など難度の高い登山を志向し、その様子を描写した動画で人気を博す。

DAY1 熊野本宮大社から小雲取越を経て小口へ(約16km)

1日目の始まりは熊野本宮大社から。前日は熊野本宮温泉郷の「川湯温泉」に宿泊した麻莉亜さん。お宿からは送迎バスも出ているので熊野本宮大社への移動も楽々です。

 参拝することで、過去・現在・未来の安寧が得られるとされた熊野三山。その中でも熊野本宮大社は熊野詣の最初の目的地となった場所であり、参ると来世が救済されると言われています。


早朝の荘厳な雰囲気の中、今回の旅の安全祈願も兼ねてお参り。

実は麻莉亜さんの熊野古道歩きは今回で2回目。前回は1年前に、和歌山県内の熊野古道紀伊路(きいじ)を4泊5日でスルーウォークしました。


「紀伊路は基本的には、街中を歩きながら各所に点在する王子(=熊野の御子神を祀った社)を巡って歩く感じでしたが、今回は前回とは違い、深く山に入っていくと聞いているのでどんな熊野古道歩きになるのか楽しみです」


と麻莉亜さん。熊野詣の最初の目的地であった熊野本宮大社を参拝し、身も少し引き締まります。


そして熊野本宮大社参拝後は、かつての社殿があった旧社地の「大斎原(おおゆのはら)」へ。

本宮大社から大斎原までは5分程度。その途中には高さ約34m、幅約42mの大きさ を誇る大鳥居が。麻莉亜さんがこんなに小さく見えます!


大斎原参拝後はいよいよ小雲取越の旅路へ。まずは小雲取越の入口である請川登り口まで約3km歩きます。登り口までは一部、山道に入りますがほとんどが道路沿いの舗装された道を歩きます。

道中は道標がしっかり整備されており、迷わず歩くことができます


ほどなくして請川登り口に到着するといよいよ小雲取越へ!目指すのは5.5kmほど先にある「百間(ひゃっけん)ぐら」。百間ぐらは小雲取越のピークであり、熊野の山々を見渡せる絶景スポットとしても有名な場所です。

登り口には案内看板も。現在地及びこれから進む道を俯瞰的にチェックできます

小雲取越はアップダウンも比較的少なく気持ちよくトレッキングができる道です

古道らしい雰囲気も


ときおり小雨が降りしきる生憎の天気の中、2時間ほどかけて百間ぐらに到着。

到着時には雨もあがっており、眼下には雲海が広がる絶景が!「これはご褒美ですね!雨が降ってて逆によかったです!」と麻莉亜さんも大喜び。

百間ぐらにはお地蔵様が

百間ぐらからの眺望。雲海が綺麗に広がっていました


百間ぐらからはアップダウンを繰り返し、石堂茶屋跡(いしどうちゃやあと)、桜茶屋跡と当時は茶屋があり栄えていたであろう旧跡を訪ねながら歩みを進めていきます。

「昔はこういった茶屋で多くの人が休憩していたと考えると歴史を感じることができますね。今もあったら休憩できていいのに(笑)」と麻莉亜さん。

桜茶屋跡。明治の末まで現存しており、その昔は、この茶屋から白装束の巡礼者を見かけると、茶屋の主人が餅をつき、茶を沸かしてもてなしたといいます。 


そして桜茶屋跡を過ぎるとそこからは一気に下りへ。かつて船の渡しがあった「小和瀬(こわぜ)渡し場跡」まで約2.5km、300mほど下ります。

「シダが生い茂っている道を歩くのが好きなんですよね」と麻莉亜さん。「小雲取越は思ったよりなだらかで歩きやすい道ですね」とも

道中の「尾切地蔵」にて。かつての巡礼者に思いを馳せて手を合わせます

小和瀬渡し場跡。かつては、列をなした熊野三山の参詣者を川の対岸へと渡していました


小和瀬の渡し場跡を過ぎると本日のゴールの小口はすぐ、1km程度で到着します。


「私は普段登山をしているのでそんなに辛くはなかったですが、かつての巡礼者の方々がこういった山々を越えていたと考えるとすごいなと思いますし、それだけ巡礼に対する思いが強かったのだと実感できましたね。」


熊野古道ウォーク初日を終えた麻莉亜さん。平安時代より1000年を超えて続く熊野詣の息吹を確かに感じ取ったようです。

小口の集落。山間の静かな集落で、複数の宿泊所があり、ひと時の疲れを癒してくれます。

DAY2 大雲取越を経て那智山青岸渡寺・熊野那智大社へ(約15km)

2日目は熊野古道中辺路の中でも最も険しいと言われている大雲取越へ。小口から最初のピークである越前峠までは、歩行距離5km程度の間に一気に800mほど登ります。

小口の集落を抜けいざ大雲へ出発!


大雲取越に入り、1kmほど進むと「円座石(わろうだいし)」に到着します。「円座(わろうだ)」とはわらやいぐさ等を丸く編んだ敷物のことで、石の上面の模様がそれに似ていることから名づけられたといわれています。

この石に刻まれた梵字は右が阿弥陀仏(本宮)、中央が薬師仏(新宮)、右が観音仏(那智)を表し、熊野三山の本地仏を表現しているとされており、三山の神々がここに座って談笑した、という言い伝えも残っています。


円座石を越え、かつて旅籠(はたご)があった場所などを横目に歩みを進めていくと、大雲取越の中でも最難所の「胴切坂(どうぎりざか)」へ。胴切坂はその名の通り「横腹が切れそうなほど痛くなる」ことから名付けられた坂です。その厳しさは「胴切坂、めちゃくちゃしんどいです」とさすがの麻莉亜さんでもねを上げるほど

険しい登り坂が続きます


胴切坂を越え越前峠に到着すると次は石倉峠へ。まだまだアップダウンが続きます。

「大雲取越は石段と、植物がうっそうとしている感じが素敵ですね。雨量が多いからか、シダとかコケとかがすごい元気です」。辛い道のりの中でも植物のチェックは欠かせない麻莉亜さん。小雲取越と比べてもより自然が豊かな風景に感動しているようです。

越前峠。かつてはその眺望の良さから、はるか遠く越前まで見晴らすことができたそう

標高840mの越前峠から、いったん谷へ下りて小川を越え、再び急な上り坂を辿った先にあるのが、標高800メートルの石倉峠。峠には旅人を見守るようにお地蔵様が鎮座しています


石倉峠を越えて少し下ると「地蔵茶屋跡」に到着。この場所には1921年まで茶屋があったとのこと。現在は東屋や自動販売機が整備され、旅人たちの憩いの場となっています。

休憩がてら事前に購入していた大福をパクり。長旅ではパワーチャージも大切です。


地蔵茶屋跡でしばし休憩し、次に目指すは「舟見(ふなみ)茶屋跡」。大雲取越の最高峰である舟見峠(870m)付近にある茶屋跡を目指して歩きます。

舟見茶屋跡までも基本的には登り基調の道が続きます舟見茶屋跡には現在綺麗な東屋が建っているので休憩にピッタリ。小口にある宿泊所では事前に頼めばお弁当を準備してくれる宿が多いです。

舟見茶屋跡からの眺望。小口方面から大雲取越を通って熊野那智大社に向かう参詣者にとっては、ここは最初に目的地の那智の姿を遠望できる場所でした。「むちゃむちゃ絶景ですね!」と麻莉亜さんも感動!


舟見茶屋跡を越えると道は一気に下りへ。ゴールの那智山青岸渡寺・熊野那智大社までは400mほどの高低差が。

途中「登立(のぼりたて)茶屋跡」、「那智高原」などを越え雰囲気のある石畳道を下るとまずは那智山青岸渡寺に到着します。

大雲取越で那智に最も近い茶屋があった登立茶屋。今は石垣などが残されているのみです

雰囲気の良い石畳道を下ると那智山青岸渡寺はすぐそこ


そして遂に那智山青岸渡寺及び熊野那智大社に到着!

那智山青岸渡寺は、⽇本最古の巡礼路である西国三十三所観音霊場の第一番札所として知られ、明治の神仏分離までは、熊野那智大社と一体をなす神仏習合の霊場として栄えた天台宗の寺院です。また、熊野那智大社は熊野詣の最終目的地で、参拝することで現世の縁が結ばれると言われており、那智の大滝を信仰の中心とした自然信仰を象徴する神社です。

1泊2日に渡る旅路の無事に感謝し、青岸渡寺と那智大社を参拝


両社寺を参拝後は、熊野那智大社の別宮である「飛瀧神社(ひろうじんじゃ)」の御神体であり、日本一の落差(133m)を誇る滝の「那智の滝」へ。

麻莉亜さんの小雲取越・大雲取越の旅路は、ここで終わりを迎えます。

最後は那智の滝にて。記念に平安衣装に着替えて撮影しました。


「この2日間歩いて特に感じたのは、かつての巡礼者の強い思いです。これだけ険しい道を越えながら、それでも熊野三山を参詣したいという思いは並々ならぬものだったと思います。私自身、たったの2日でしたが、この2日間、熊野の自然の中を歩き、そして最後にたどり着いたのが神様として崇められている滝という自然物で、その壮大さ、神秘さに圧倒されるとともに、すごいエネルギーを感じ、受け取ることができました。」


無事2日間の熊野古道歩きを終えた麻莉亜さん。国内外問わず多くの山々を踏破してきた彼女にとってもこの旅路は特別なものとなったようです。


甦りの聖地として世界中から注目を集めている熊野。訪れることでしか感じることのできない魅力がそこにはたくさんあります。皆様もぜひ熊野の旅路へ一歩足を踏み出してみてはいかがでしょうか?

Column

麻莉亜さんが歩いた様子を動画でチェック!

今回麻莉亜さんが1泊2日で小雲取越・大雲取越を歩いた様子が、前泊・後泊の様子と合わせて公開されています。最後には麻莉亜さんの平安衣装姿も!ぜひご覧ください!



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