旧笠松家住宅
この古民家は、19世紀後半に建てられたもので、庄屋、笠松佐太夫(1598-1673)の親族のものであった。彼の革新的な開発事業は有田川町の生活を今もなお支え続けている。
この邸宅が建てられた当時、周辺の村は20軒ほどの農家と製紙業を営む家々で構成されていた。笠松家が尊敬を集めていたことは、敷地の広さと立地の良さにも表れている。敷地は日当たりがよく、野菜を育てるのに適しており、周囲の山が風を遮ってくれる。敷地内には小川が流れ、あらぎ島の田んぼへのアクセスも良い。
建物は母屋、土蔵、長屋があり、当時の住宅の一般的な建築様式である。母屋は藁葺き屋根で、冬に雪が積もらないように設計されている。この家の最も珍しい特徴は、近くの小川を家に向かって迂回させ、台所から養魚池に流す画期的な配管システムである。新鮮な水が絶え間なく流れ込み、食べ物の廃棄物や皿洗いの水が魚の餌となる。
現在、笠松邸は有田川町の伝統的な田舎暮らしを体験できる貸し宿泊施設となっている。室内に水道を引き込むなど近代的な設備が追加された一方で、母屋は、土間続きの玄関、木彫りの欄間、畳敷きの部屋など、典型的な古民家の特徴を保っている。
基本情報
- 郵便番号
- 〒643-0512
- 所在地
- 和歌山県有田川郡有田川町大字清水字小峠上原144番地3、146番地
※施設の情報は変更されている場合がございます。最新の情報は各公式HPをご覧ください。